デザインによるユーザーフィルタリング
先月まで僕と@machidaさんがお世話になっていたアクトインディ株式会社で技術ブログを作った時のお話。
アクトインディではエンジニアのリクルーティングのために求人サイトや派遣会社には1円足りともお金を出さないことにしました。その代わりそのお金(=時間)を使って技術ブログを作ることにしました。(以前在籍していたウノウで素晴らしい効果を上げているのを目の当たりにしたので真似しました。)
そこで@machidaさんにデザインをお願いするんですが、サイトの「目的」と「イメージ」だけを伝えました。
目的:
- 大勢の人にみてもらいたいわけではなく、1〜2年に1人ぐらいのエンジニアをリクルーティングしたい。
- 極少数のコアなエンジニアに向けて技術情報を発信したい。
イメージ:
- 日立製作所では古くから、職級としてエンジニアのことを「技師」、リーダーのことを「主任技師」というらしい。面白い。
- 欧米から見たら日本も韓国も台湾も中国も区別がつかなくなってる、勘違いされてる日本。チバシティみたいな感じ。
@machidaさんが、「あ、なんかわかったような気がします」といって1時間ぐらいでpsdファイルを作って見せてくれました。
見た瞬間、「これはいけるwww(どこにだかわからないが)」と思いました。
翌日chibaさんにこのブログシステムにデザインを反映してもらいました。※1
しかし、アクトインディ株式会社は葬儀相談を筆頭にしっかりとしたリアルなビジネスを展開してきた会社です。果たしてこんなふざけたブログをアクトインディの名で公開してもいいものか・・・。(僕らは至って真剣なんですが・・・)
僕は公開にあたって社長の@lupin13さんにこの技術ブログはリクルーティング活動の一貫であること、小さい名もない会社がピンポイントで優秀な技術者に来てもらうには多少、極端なやり方が必要であることなどを鹿爪らしく語ったあと、ようやくこのサイトを見せました。
@lupin13さん「う”〜〜〜〜〜〜〜〜ん・・・」
・・・あれ?もしかして僕と@machidaさんは社会人生命を揺るがすような大失敗をしてしまったのか?と不安にかられました。
@lupin13さん「僕には理解できないけど、@komagataさんがいうならエンジニアさんにとっては好まれるものになっているんだとおもいます。」
と言っていただけました。
公開後、メンバーみんなでの更新のかいもあってか、エンジニア(のみ)からはとても良い評判を頂いています。一般の方は眉をひそめ、デザイナーは立ち去り、エンジニアには評判が良いという、良くも悪くも当初の狙い通りになったと言えます。
「デザインでユーザーのフィルタリングができる」というパワーにはびっくりしました。
目的の方はどうなったかというと、@quekさんというありえない方が入社してくださったり、@lupin13さんの知り合いのシステム会社の経営者の方からは、その会社の社内でも長年の懸案である「技術の蓄積とアウトプット」という難しいがしっかりとした活動をしていて評価できるとの声をいただいたり、正直ここまで効果があるとは思いませんでした。
※1:
そもそもこのブログのシステム部分はchibaさんによってCommon Lispで作られています。記事を投稿するにはサーバー上のCommon Lisp処理系のプロセスにアタッチし、投稿専用のマクロを実行する必要がありました。(記事はメモリ上にしかないので落ちると消えてしまう)
2週間Common Lispを勉強してようやく投稿ができるようになったばかりの僕のスキルではデザインの反映すらできない状態でした。(その後、@quekさんによって改良が続き、データはDBに永続化され、Web上から投稿もできるようになりました。)